虫歯治療
このページの目次
極力歯を抜かない・削らない低侵襲な虫歯治療を心がけております
御影歯科クリニックでは、少しでも多くの天然歯を維持していただけるよう、極力抜かない・削らない低侵襲な虫歯治療を心がけております。診査・診断によって虫歯の進行状態を把握し、適切な治療をご提案いたします。虫歯の進行状態は虫歯を意味する英語「Caries（カリエス）」のCと段階を示す0～4の組み合わせによって表します。以下では虫歯の進行状態と当院で実施する処置や治療についてご紹介いたします。
虫歯のはじまり（C0）・エナメル質の虫歯（C1）
虫歯は自然に治ることのない、進行性の疾患です。そして進めば進むほど、治療の回数や費用もかかり、将来的な残存率も短くなっていきます。
虫歯のはじまり（C0）は、虫歯菌が放出する酸によって歯の表面が溶け始めた「脱灰」という状態です。
C1はC0の状態がさらに進行して歯の一番外にあるエナメル質が虫歯になっている状態で、C0、C1はどちらも初期虫歯に分類されます。
初期虫歯については、症状にもよりますが、基本的には歯を削らずに唾液による再石灰化（溶け出したミネラルを補充して歯を修復する作用）を促進してあげることによって治癒できる可能性があります。C1の状態は目視はできますが、痛みや目立った症状はなく、自分での発見は難しく、この段階で見つけるには、予防で歯医者に通うか歯科検診でなければ困難かもしれません。
※C1の場合で色が気になる場合やこれから悪化する可能性が高い場合は虫歯部分だけを小さく削ってCR（コンポレットレジン）という白い樹脂で埋めたり、場合によってはインレー（詰め物）を入れます。
PMTC
PMTCは専門の器具を用いて実施する歯面清掃です。フッ素配合の研磨剤で歯面を磨き、歯磨きでは落とせない歯石やバイオフィルムなどを除去します。口腔内を清潔に保ち、唾液の再石灰化を促進することによって、虫歯の悪化防止や治癒が期待できます。
フッ素塗布
フッ素には細菌の活動を抑制したり、再石灰化を助ける作用があります。必要に応じて高濃度のフッ素を歯面に塗布し、虫歯の悪化防止、再石灰化を促進します。
歯磨き指導（TBI）
口腔内が不衛生になると、細菌が繁殖して虫歯が進行する可能性が高くなります。毎日の歯磨きの質を高めて口腔内を清潔に保っていただくため、適切な歯磨き方法を指導いたします。
象牙質の虫歯（C2）
C2は虫歯が進行し、象牙質という歯の内側の少し柔らかい組織まで達している状態です。この段階では、少し痛みがでたり、冷たいものや熱いものがしみます。歯面を見てみると黒い穴があいたような状態がわかり、虫歯だと認識できます。
C2の虫歯については、処置の際に痛みを感じるため、局所麻酔を行った後に虫歯の部分を削り、削った部分を整えたあとにインレーというつめ物を被せます。
※場合によってはクラウンになることもあります。当院では少しでも多く健康な歯質を残すため、必要最小限の切削を心がけております。
拡大視野下での精密な切削
虫歯治療の際は歯科拡大鏡やマイクロスコープを駆使し、視野を拡大した状態で処置を行います。健康な歯質と虫歯感染歯質の境目なども目で確認しながら、精密な切削を行い、できるだけ健康な歯質を保存します。
う蝕検知液の使用
う蝕検知液は虫歯になっている歯質のみに着色する薬液です。染め出された虫歯感染歯質のみをきれいに削ることによって、無駄な切削を抑えることができます。また、小さな虫歯の見落とし防止によって、再発リスクを軽減します。
エキスカベーターで丁寧な切削
エキスカベーターは手動で虫歯を切削する器具です。細部の虫歯を強力なドリルで切削すると、健康な歯質まで削り過ぎてしまう可能性があります。少しでも健康な歯質を残すため、細部の虫歯や最終的な仕上げについてはエキスカベーターを使用し、虫歯を丁寧に取り除きます。
ダイレクトボンディング(CR充填)
ダイレクトボンディング(CR充填)は、虫歯を削った部分に歯科用の樹脂（コンポジットレジン）を盛り足してその場で歯の形態を整えるつめ物です。ダイレクトボンディング(CR充填)は、歯の切削量を最小限に抑えることができるため、健康な歯質を多く残すことができます。また、型取りなどの工程がなく即日で治療が完了することも特徴です。
神経にまで達した虫歯（C3）
虫歯が進行して歯の神経（歯髄）にまで達した状態です。神経が炎症を起こすため、何もしない状態でズキズキと強い痛みを感じます。かなりの痛みを伴うため、場合によっては治療の際の麻酔が効きづらくなることもあります。
こうなると神経を残す事はできないため、根管治療を行って虫歯菌に感染した神経の除去・殺菌・密封することによって症状を改善します。当院で実施する精密根管治療の詳細は下記よりご確認ください。
歯がほとんど残っていない歯の虫歯（C4）
C4はこれまでに何度も虫歯治療を行い、歯茎より上に歯質がほとんどなく、歯根部分で虫歯が進行している状態です。こうなると歯の保存はほぼ難しくなり、抜歯となることがほとんどですが、保存できる可能性がある場合はもう一度根管治療を行い、症状の改善、抜歯の回避を目指します。
保存できないと判断した場合には、残った歯根を抜歯し、インプラント・入れ歯・ブリッジ等の欠損補綴を行います。
銀歯の虫歯治療で神経を温存してセラミックで修復した症例
こちらの患者さまは、中央の銀歯の痛みを訴えられて来院されました。
初診時の口腔内
主訴の銀歯です。よくみてみると、銀歯の縁が段差になっているのが分かります。銀歯の縁から虫歯が進行していることが疑われました。
初診時のレントゲン画像
レントゲン写真です。銀歯の治療時に神経に近いところまで虫歯が進行していた事がわかります。
銀歯の除去
銀歯を外したところです。白く見えるのは神経を保護するお薬です。中が透けて黒く見えるところは、内部まで虫歯が進行していました。
虫歯治療の実施
虫歯の箇所のみを染める液（う蝕検知液）を用いて、虫歯のみを除去していきます。虫歯を取りきったところの写真です。かなり歯質が失われていることが分かります。
神経の温存
当院では、神経を可能な限り保存することを心がけています。神経を保存した方が歯の寿命が長くなるので、神経を保護するお薬を置きます。
何もしていな時に痛み等が出ないか経過を確認し、問題なければセラミックの歯型取りに進んで行きます。
支台形成・セラミックの型取り
精密な技工物（セラミック）を作成するためのポイントは、いかに綺麗な形に削るかと精密な型取りを行うかです。
当院では拡大鏡という何倍にも拡大した視野で見る事ができる道具を用いているので、精密に形を整える事ができます。歯型取りに関しては、シリコン印象材という精度の良い材料を用いて歯型取りを行います。
また、歯茎の際のところまでセラミックがぴったり適合するように、圧排糸（写真の緑色の糸）を歯肉溝に入れる事によって、より精度の高い型取りが可能です。型取り後は、仮蓋をしてご帰宅いただきます。
治療完了
約2週間ほどでセラミックの詰め物が完成するので、再度ご来院いただき装着をします。
金属を歯にくっつけるというのは、材質上の問題で非常に難しいです。保険の銀歯が外れやすかったり、今回のように隙間ができて再び虫歯になりやすい原因の一つです。
セラミックに関しては、専用の強固な接着剤を用いて接着を行います。この点もセラミックが銀歯よりも外れにくく、長持ちするポイントです。痛みも改善し、綺麗に治った事で患者さまも非常に満足されていました。
| 年齢/性別 | 50代/女性 |
|---|---|
| 治療期間 | 2週間 |
| 治療回数 | 3回 |
| 治療費 | 88,000円(税込) |
| リスクなど | ・部分的に強い力がかかると、つめ物・かぶせ物が破損したり、脱離する可能性があります。 |
東灘区御影で極力抜かない・削らない虫歯治療をご希望の方へ
御影歯科クリニックでは、いつまでもご自身の歯で生活していただけるよう、一つひとつの処置にもこだわり、天然歯の保存を第一に考えた虫歯治療を心がけております。虫歯の進行状態を把握し、適切な治療計画をご提案いたします。兵庫県東灘区御影で極力抜かない・削らない虫歯治療をご希望の方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。
